日中平和友好条約締結40周年記念
   弦歌弓舞 ~劉福君 二胡音楽の世界~

 今年は日中平和友好条約締結40周年を迎え、それを記念して日中の文化交流の深化と中国民族楽器二胡の普及と発展を目的とし、9月15日、16日、17日の3日間、鹿児島県薩摩川内市、宮崎県都城市、福岡県田川市の3か所でコンサートが開催されました。伴奏として東京より安部潤様(キーボード)熊谷望様(ベース)山田智之様(パーカッション)の3名をお迎えし行われました。

 ここに都城市(三股町立文化会館)での開催の様子を報告致します。

 都城市は、霧島連山をはじめ山々に囲まれた盆地で、人口約16万5千人。県内では宮崎市に次ぐ人口です。特産物として都城牛や焼酎、お茶が有名です。また伝統工芸品である弓の生産は日本一です。
その都城市のすぐ隣にコンサート会場の三股町があります。田園が広がる自然豊かな環境にあり、劉先生が初めてこの会場をご覧になった時、大変気に入って頂き、そこからコンサート開催に向けての準備が始まりました。
 十数年前、都城市で劉先生のコンサートが行われたそうです。当時私は存じませんでしたが、もしそのコンサートに足を運んでいたら、もっと早く二胡の練習を始めていただろうと思います。

 さて、9月16日 清々しい秋晴れの中、定員を超える約430名の地元の皆様を迎えてコンサートの幕が開きました。
 一部は「蘇州夜曲」に始まり、劉先生が舞台下手から演奏しながら登場。大きな拍手がありました。「秋のメドレー」「流水如情」「草原情」「島の風」「陜北抒懐」の曲が続きます。先生の素晴らしい演奏と親しみのある話術に、会場の皆さんの心は引き寄せられたことと思います。

 二部は劉先生を中心に、宮崎教室生による合奏。「郷の風」「また君に恋してる」そして先輩方による「長相思」の重奏と3曲続きました。合同練習はわずか1回だけでしたが、息の合った演奏ができたと思っています。劉先生のご指導の賜です。
次に、先生のご配慮を受け、地元出身者3人で「女人花」を演奏しました。演奏経験の少ない私はやはり緊張しましたが、山田さんと坂下さんの先輩と演奏でき、心強く安心して演奏することができました。
その後、劉先生の演奏で「情熱大陸」「Jin-仁‐メインテーマ曲」「影を慕いて」そして最後の曲は「チャールダーシュ」。 超絶技巧の圧巻の演奏が繰り広げられました。
アンコールは宮崎教室生の再登場で「賽馬」で締めくくり、幕を閉じました。
ご来場の方々の感想を一部掲載します。

・目を閉じて聴いていたら、モンゴルの風景が浮かび、涙が出そうになった。
・二胡の音色を初めて聴いた。哀愁漂う音色に感動した。
・二本の弦で「情熱大陸」や「チャールダーシュ」が素晴らしかった。感動した。
・ますます二胡が好きになりました。
・二弦しかない楽器なのに、バイオリンに勝る演奏で圧倒されました。
・素晴らしい時間を持つことができました。ありがとうございました。

等々 他にもたくさんの“感動”のお言葉を頂きました。

 最後になりましたが、このコンサート開催にあたり、来住様をはじめとする日中友好協会の方々の協力もたくさん頂きました。お陰をもちまして無事に終了することができました。ありがとうございました。心からお礼申し上げます。
私事ですが、コンサートの準備に関ることは全く初めてでしたので、戸惑うことが多く、いろいろご迷惑をおかけしたことと思いますが、共に準備に関って頂きましたすべての方々に心より感謝致します。ありがとうございました。

 劉先生、そして東京からのバンドメンバーの皆様、3日間の九州を巡るハードなコンサートの旅 お疲れ様でした。

なお、コンサートにご来場のお客様より、今年7月に発生しました「西日本豪雨」による被災地復興支援の為の募金を頂きました。3会場で頂きました支援金とCD約100枚の売上金31万8千4百1円は劉先生から社会福祉法人 広島県共同募金会へ寄贈されます。
皆様からの温かいお気持ちは、被災地に届くことと思います。

レポート:木幡玲子